1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

 途中でタクシーを拾って、市民病院に向かってもらいます。と、そこへ蓬用携帯に着信が…。

 見れば雷斗くんです。

 どうしよう。とりあえず出ましょうか。

「もしも…」

『よもちゃん!情報屋と知り合いだったの!?』

 お耳がキーンってしましたよ!?どんだけ大声なんですか。

 恐る恐る携帯を耳に当てます。

「えっと、黙っててすみません…」

『それはいいんだけど…。あのさ、情報屋ってよもちゃんにもあんな冷たいの?』

「う…う~んと…」

 本人ですとも言えずにどうしましょう。

 悩んでいる間に雷斗くんは勝手に解決したのか、よもちゃんにもあんな風なんてとぶつぶつ言ってますね。

 うわぁ、情報屋に変なイメージが…。

『よもちゃん、ちゃんと剣人さんと一緒にいる?』

「え?あ、実はまだ向かってる途中なんです。寄り道しちゃって…」

『寄り道!?よもちゃん危ないんだから勘弁してよ!!』

「あはは、ごめんなさい…」

 お父さん、蓬はどんどん嘘つきになっていきます…。

『よもちゃん勝手に行動しないでね』

「は…はぁい」

 雷斗くんに散々怒られてしまいました。
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