1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
「ねぇね~」
気まずい雰囲気をもろともせずおじいちゃんの膝から降りて、てちてち走ってきた望亜はそのままの勢いで抱きついてきました。
お陰様で私の両手はかわいい2人に掴まれています。
でも、そんな様子が面白くないのかおじいちゃんもおばあちゃんも顔が険しいです。
やっぱり出直しましょう。
「…ともくん、みあちゃんまた後で来るね」
「え~、ねーねあそぼ」
「あしょぼ?」
部屋を出ようとしても2人は離してくれない。
その間にもどんどん空気は重たくなっていく。
事前に連絡しておくべきでした。
なんてバカなことをしてしまったんだろう。