1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

 少し反省しながら歩くこと10分くらいで駅につきました。

 2人に待つように言って、4駅離れた駅までの往復切符を3人分。それを神野くんと雷斗くんに押し付けてホームに向かいます。

「情報屋…」

「ハルだ」

「あ、ハル!お、お金」

「私に付き合わせてんだから払わなくていい」

 雷斗くんは何か言いかけて押し黙るとありがとうと言ってくれました。

 …でも、お礼を言われる筋合いなんてなく、むしろ私が謝るべきなのに…。

 神野くんは気づかれないように苦笑していましたが、電車で移動するまでの間も気まずい雰囲気のままでした…。
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