1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
と、雷斗くんに何と言ったらいいか分からなくなって、黙ったまま駅まで行きました。
次の電車が来るまで10分ほど。駅のベンチに座り、また何となく無言が続く。
「…よもちゃん、あのさ…」
「言ってなくてごめんなさい…」
「え、謝らないでよ!むしろ、不可抗力でも知ってごめんね」
口を開いたのは雷斗くんで、謝ると慌て始めちゃいました。
雷斗くんは頭を掻くと、笑ってくれました。
「情報屋に仲間って言って貰えたなんて光栄だよ」
「雷斗くん、情報屋はあくまで私ですよ?」
「でも、やっぱり情報屋は俺たちの間じゃ有名だから」
尊敬の目と言っていいんでしょうか。
そんな目で見られると恥ずかしいですね。
何となく笑っていると、吹いてきた風に勝手にくしゃみが出ました。
あう、寒すぎます…。