1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
1人では、戦えない。
でも、背を預けられる人がいるなら、戦える。
だって、ずっと見てきたお父さんたちは、常に背を預け合って敵に向かっていたから。
「嵐鬼の初代に育てられたんですよ。なめないでください」
「確かに、そうだったな!!」
神野くんが男を殴り飛ばしたことで再び動き出す。
神野くんに殴られてよろけた人に回し蹴りをお見舞いすると地面に倒れてくれました。
喜ぶ間もなく、背後から殴りかかってきた人を神野くんが顔面を殴り飛ばし、仕上げにお腹に蹴りをいれました。
パンチより蹴りの方が、力が入りやすいのです。
続いて雷斗くんが勢いで引き倒した人の肩甲骨の間を思いっきり踏みつける。
ついでに私に伸びてきた手を掴んで投げ飛ばす。