1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
応接間に入ると、公庄先生の隣に私が座って、神野くんと雷斗くんは向かい合った席に座らせてもらっていました。
「怪我はなかったか?」
「外傷と言う意味ではですが」
「…そうか」
公庄先生は表情を歪めると、ため息をこぼしていました。
「あの、一応お聞きしたいんですが、私の在籍って…」
「年明け早々に退学届が出されているよ」
「やっぱり…」
「でも、晴野のお母さんが来られてね。晴野を探していると聞いて、退学届は一旦保留になっている」
「え、じゃあ在籍はあるんですか!?」
「いや、ない…そもそもここに在籍していたという記録も…」
「公庄、それってどういう意味だよ」
神野くんがすぐに言葉を挟みました。