1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

「か~み~や~!!!」

「「ッ!!!?」」

 朝の雰囲気をぶち壊すような大音量に合わせて、なぜだか振り返った先から砂ぼこりが…。

 ナンデスカアレ。

 砂ぼこりが手前から急にその量を増やしました。
 ついでに車の急ブレーキのような変な音も。

 砂ぼこりが少し薄くなると、中から飛び出して来たのはなんと雷斗くんです。
 雷斗くんは急ブレーキをかけた後、なぜかいきなり神野くんに殴りかかって…。え?

「きゃ!?」

 急に引き寄せられて変な声が!?と気にした直後にパシッといい音。

「…大宮、お前また謹慎食らいたいわけ?」

 見上げれば神野くんの顔が近くにあって、その表情は完全に呆れていました。

 神野くん今の一瞬で私を下がらせて雷斗くんの拳をいとも簡単に受け止めたみたいです。

 どんな動体視力と素早さを持っているんですか!

 って、私今神野くんに抱きしめられてます!!?
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