1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

「よもも」

「はい?」

「いつ男なんて出来たんだ?清牙さん怒ってないか?」

「神野くんはお友達ですよ?」

 若さんは酷く心配したように顔を覗き込んできたんですが…。

 なんでお父さんが怒るんでしょうか。

 その間にも神野くんはお供さんに迫られ続けています。

「お供さん、神野くんは私が頼んでついて来てくれたんです。いじめないでください」

「あ?よもも、お前男なんかまだ早ぇんだよ。あと朋和だって何回…」

「若さん、神野秋空くんです。私と同じ16歳です」

「聞け、くそチビ」

 お供さんのお説教長いんですもん…。

 神野くんの腕を掴んで若さんの前まで戻りました。

 後ろからまた鷲掴みにされましたが、もう気にしません。
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