1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

「よも、おかえり」

「ただいま。お母さん。咲ちゃんもおかえりだね~」

 咲ちゃんのほっぺをつんつんと突くと咲ちゃんは手足をじたばたさせて答えてくれました。

「颯人、分かったの?」

「いや、こういうのは苦手で…」

「あ、これ組み立てたことありますよ」

 苦笑いを浮かべる颯人さんに対して、神野くんがすぐに颯人さんの持っている説明書を覗き込んでいます。

 その足元には智希がくっついていて、いつの間にか懐かれているようです。

「やりましょうか?」

「指揮を頼もうかな」

「ぼくもやる!」

 智希も張り切っています。

「よも、咲見ててお昼作っちゃう」

「私やろっか?」

「いいのいいの。たまには息抜きさせて」

 咲ちゃんを預けられ、お母さんは紅葉さんと一緒に台所へ…。

 いつの間にか望亜もベビーベッド作りに参加していました。
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