1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
8.布告
変装
「お母さん、どう?」
「いいんじゃない?それで声さえ出さなければね」
リビングで仕度を整えたお母さんは私の格好を見て、満足そうに微笑んでくれました。
そのことにちょっとだけ安心です。
ちなみに今の私の格好はダークブラウンの短髪に櫻高校の男子用の制服姿です。
「ねぇね?」
『さぁ、誰だろうな?』
不思議そうな顔をする望亜にちょっと意地悪してみると、きょとんとした顔でじっと見つめられてしまいました。