1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

「そんな証拠がどこに」

『あるさ。警察の手が届いてねぇ場所にな。…検察官さん?あぁ、この事件の担当した刑事にしようか。…俺と対決してみねぇか?この事件が真か、嘘か』

 裁判の傍聴席にいた関口を見つけ、顔を向ける。
 すると、関口は驚いたような顔をしていましたが、だんだんとその表情が険しくなっていく。

「…そのような勝負、意味があると?」

『おおありだろ?何せ日本の優秀な警察官に汚職事件だぜ?証拠も揃ってる。本当は、控訴判でめった切りにしてやるつもりだったが…やめだ。この裁判で全部終わらせてやる』

 みなさんの協力のおかげと言わんばかりですが、この2週間弱でだいたいの情報の裏を取ることが出来てきたんです。

 後残っているのは、私の戸籍と裏で糸を引いた組の決定的な証拠。

 そして、この関口が父親からお金を受け取っていたという証拠だけ。

 それさえそろえば後は直接会いに行って、ビデオを撮らせていただくだけで終わります。
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