1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
雷斗side
「大宮、そこにあるのってなんだ?」
「これ?これは協力してくれた人のリスト」
「あれ、違反した奴のリストどこだ…」
「それならそっちの山にある」
パソコンから目を離した神野は頭を掻いて立ち上がると、俺とは反対の位置にまとめられた紙に目を通していく。
この3日で分かったことは、神野の情報処理スピードが異常に速いこと。
今だって、よもちゃんが苦戦していた部分をあっという間に仕上げていく。
集まった情報から必要なことだけを抜き出して考えると言ったものは、俺が苦手とする分野で、結局資料を項目別に仕分けることくらいしか手伝えていない。
パソコンで資料を作るのはよもちゃんと神野が交代で仕上げている。
俺にも出来たら、もっと負担を減らせたはずなのに。
よもちゃんが、離れていくこともなかったかもしれないのに…。