1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
振り返って見れば、顎を抱えて転がった浩介と頭を抱えてうずくまるよもちゃんの姿があって…。
「ッ…っだ!?」
「…ッこうくんの石顎…」
「それを言うなら、お前が石頭だろ!くそチビ!!」
痛みを乗り切ったよもちゃんに、浩介はもちろんキレるわけで…。
というか、よもちゃん起きてたのか。
危険を察知したらしいよもちゃんが慌てたようにソファから逃げようとするけど、その前に浩介が首に腕を回してよもちゃんを捕まえた。
浩介はよもちゃんを片手と足で捕まえると、開いている片方の手をよもちゃんの頭にぐりぐりと押し付ける。
よもちゃんは痛いと騒ぎながらも完全に楽しそうに笑っている。