1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
「晴野さん?どうかされました?」
「あ、えっと…ごめんなさい、誰くんでしたっけ?」
声をかけてきてくれたのは、あのクリスマス会の時に最初にビンゴした下っ端の中学生くんです。
下っ端くんは慌てたようにハルトですと名乗ってくれました。
遥かに人で遥人くん。よし、覚えました。
遥人くんは心配そうに隣にしゃがみ込んでくれました。
「顔色悪いですね。ここにいたら風邪引きますよ」
「中入ると気持ち悪くて…。あの、一緒にコンビニ行ってくれませんか?何か買って来ようと思って」
遥人くんはきょとんした顔をすると、すぐにはっとして待っててくださいと言い残して倉庫の中に入って行ってしまいました。
そんなに慌てなくてもいいんですが、それにしても気持ち悪い…。