1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

「よも、どした?」

「…焔さん?」

「うわ、お前真っ青だぞ。何が欲しいんだ?買ってきてやっから部屋で寝てろ」

 焔さんは私の隣にしゃがみ込んで背中をさすってくれました。

 遥人くんわざわざ呼びに行ってくれたんですね。申し訳なさすぎます…。

「私も行きます…」

「あのな、そんな真っ青な顔されて連れて行けるわけねぇだろ。今日は家戻って寝た方がいい。ココアとパン買ってきてやっから。おい、よも幹部室に連れてけ」

「は、はい!」

 焔さんはそういうとバイクを取りに行ってしまいました。

 行かせるつもりなんてなかったのに…。

 遥人くんは甲斐甲斐しく隣に居てくれて、何とか支えようとしてくれています。

 遥人くんを外で待たせるわけにはいきませんね。
 支えてもらって立ち上がると、倉庫の中に戻りました。
< 310 / 411 >

この作品をシェア

pagetop