1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

「ッ…」

「え、晴野さん!?」

 でも、倉庫の中に入った瞬間、やっぱり気持ち悪くなってその場にうずくまってしまいました。

 遥人くんの方が青くなってそわそわしてしまっています。

「おい、よもどうした!」

 異変を感じたのか、あちこちから足音がする。

 でも、1番に駆け寄って来てくれたのはこうくんで、私の顔を見た瞬間こうくんは目を見開いてしまいました。

「お前、真っ白だぞ。だから早く戻って来いっていたのに」

「…気持ち…悪い…」

「え?…おい、毛布幹部室に持って来い」

「あ、はい!」

 肩に何かがかけられる。

 でも、それがなんなのかすら分からなくて、体が浮いた感覚がすると、どこかに運ばれていく。
< 311 / 411 >

この作品をシェア

pagetop