1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
「ッ…」
「え、晴野さん!?」
でも、倉庫の中に入った瞬間、やっぱり気持ち悪くなってその場にうずくまってしまいました。
遥人くんの方が青くなってそわそわしてしまっています。
「おい、よもどうした!」
異変を感じたのか、あちこちから足音がする。
でも、1番に駆け寄って来てくれたのはこうくんで、私の顔を見た瞬間こうくんは目を見開いてしまいました。
「お前、真っ白だぞ。だから早く戻って来いっていたのに」
「…気持ち…悪い…」
「え?…おい、毛布幹部室に持って来い」
「あ、はい!」
肩に何かがかけられる。
でも、それがなんなのかすら分からなくて、体が浮いた感覚がすると、どこかに運ばれていく。