1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

「で、気になることってなんだ?」

 お母さんがお買い物から帰って来たので、一旦神野くんと2人で私の部屋へ上がりました。

 遊んでほしいとせがんでいた智希たちのためにも早めに終わらせないといけないですね。

「1分でも遅れたらこの話はなしだと言っていました。…会場入りを妨害される可能性があります」

「確かに。ありえるな…」

「早めに行くのもなしです。そこで捕まえられてしまう可能性もあります」

「…つまり、議論する気はないって事か」

「まぁ、そうでしょうね。向こうは嘘をついているわけですし…。とにかく、明日は捕まるわけにはいきません」

 神野くんは面倒なことになったなと頭を掻いています。

 それにしても、つくづく人を馬鹿にするのもいい加減にしろって感じですね。

 まぁいいです。そっちがそのつもりなら、こっちだっていろいろやってやろうじゃないですか。
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