1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

 11時頃になってチャイムが鳴り響きました。

 何とかこの格好になれてくれた神野くんと話していましたが、おそらく雷斗くんたちなので出迎えなくてはです。

 玄関を開けるとやっぱりそこには雷斗くんと焔さん、遥人くん、そしてこうくんの姿がありました。

 3人ともなぜかドアを開けた瞬間に目を見開いてしまいました。

「来てもらっちゃってごめんなさい。どうぞ?」

「…誰」

「え?」

「おーい、晴野、お前今の格好忘れてんだろ?」

「ん?」

 あ゛、そうでした。思いっきり変装しているんでしたね。

 とりあえず3人を中に引きずり込んで、ドアを閉めます。

「え、よもちゃんなの?」

「そうだよ?雷斗くん私変?」

「きも…」

「こうくんなんか嫌いです…」

 ぼそっと言ったこうくんの言葉は完全に本心ですね。

 この野郎、もう遊んであげないんですから!
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