1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

「は…晴野さん!僕は普段の晴野さんの方が素敵だと思います!」

「遥人、それ、なんの慰めにもなってねぇからな」

 一生懸命考えて出してくれた言葉までも今の格好を否定する言葉でした。

 うぅ、私だってこんな格好しなくていいならやりませんよ!

 真っ黒だった人がいきなり金髪にしたら髪の毛が浮いて浮いて意味分からないことになってるのも分かってますよ!

 雷斗くんたちをリビングに上げると、紅葉さんの目がきらりと輝きました。
 その視線を受けた焔さんと遥人くんとこうくんがビクッてします。

 あ、やばい怒られそうです。

「つうか、よも、なんで俺様を呼んだんだよ。遥人まで…」

「えぇと…実は3人には変装を…」

「え?」

「ごめんなさい!紅葉さん、お願いします!」

 3人まとめてリビングの隣にあるお部屋に放り込みました。
 ついでに紅葉さんとお母さんも一緒に。

 颯人さんは苦笑していますね…。
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