1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

「よもぎちゃん、忘れてたの?」

「いや、朔夜さんには連絡したんですけど、連絡行き届いてないみたいです」

「よもちゃん、わけわかんないから説明して」

 雷斗くんが珍しく厳しい口調です。

 なのでそそくさと正座をして、口を開きました。

「まず、神野くんと雷斗くんは遥人くんと一緒に駅に向かってもらいます。

 で、△駅に着いたら乗り降りする乗客に混じり、神野くんとこうくんが入れ替わります。で、雷斗くんはこうくんと遥人くんと一緒に会場の駅まで行って、改札を出てから全力疾走で逃げてください。

 逃げている間に焔さんと雷斗くんが入れ替わって雷斗くんは会場に」

「それ、かなり危険じゃねぇか」

「浩介と焔さんを入れてるのは分かるけど、遥人が…」

「私の体格に似ているのが遥人くんだけだったんです。遥人くんには、1番危険なことをお願いしています。ですが、これは3人に直々にお願いして決まったことです」
< 344 / 411 >

この作品をシェア

pagetop