1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

「そういうことだ。雷斗。…でもな、よも、変装するとまでは聞いてねぇぞこら」

 1番に着替え終ったらしい焔さんの声が聞こえて来たと思ったら、ボカッとげんこつを食らいました。いだいです…。

「え、声はとにかく、大宮だ…」

 呆然とした神野くんの言葉に振り返ると、そこには焔さんがいらっしゃるのですが、外見は雷斗くんそっくりです。

 流石紅葉さん…。

「よも、お前変装させるならそう言えよ!!」

「うわ!?神野!!?」

「おい」

 続いて出てきたこうくんも怒ってました。

 ついでに神野くんが不機嫌になったのは気のせいですか?

 こうくんは神野くんの姿のままヘッドロックをかましてきました。

 どうしよう、反撃できないんですけど…。
 くぅ、こうくんに神野くんの格好をさせたのは大間違いでした!

「やめろ神野!」

「大宮、ケンカ売ってのか」

 神野く…じゃなくて、こうくんを殴った雷斗くんに本物の神野くんが殺気をみなぎらせて、雷斗く…じゃくて焔さんが煽って…って意味わかんないですよこの状況!!
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