1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
「神野~!!!」
「きゃぁああああ!」
あ、雷斗くん復活したみたいです。登場と同時に奇声が上がりますが、もちろん無視です。
まっすぐに神野くんを捕らえ、その手には握り拳…。
またかなぁ…。
案の定パシッといい音。何と神野くん今度は雷斗くんの方見てませんでした。
「だからさ、おまえまた停学になるぞ」
「よもちゃんに近づくなって言ってんだろ…!」
「はぁ、なら、大宮は晴野の何?または、大宮にとって、晴野はどういう存在な訳?」
神野くんの問いに雷斗くんはそれまでの勢いが急になくなって黙り込んでしまいました。
はて、どうしちゃったんでしょう…。
雷斗くんは徐々に顔を赤くさせてゆき、最終的には耳まで真っ赤になってしまいました。
どうしちゃったんでしょうね。
雷斗くんはちらちらと私を見ていますが、意味が分かりません。