1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

 電車が会場の最寄駅に到着する。

 急いでますと言う雰囲気を醸し出しながら、電車を降りて階段を駆け上がる。改札を抜けて地上へ上がり、電信柱の影に身を隠す。

 すると、こうくんに腕を引っ張られて遥人くんたちが飛び出してくる。

 走り去っていく3人を、追手はその名の通り追いかけて行く。

「おわっ!?」

 すみませんね。後ろにいた追手さんの足を引っ掛けてみました。

 仲間は驚いて振り返っています。
 その隙に雷斗くんは建物の影に身を隠し、代わりに焔さんが2人に合流する。

「すみませぇん。大丈夫ですかぁ?」

「ッチ、ふざけんじゃねぇぞ!」

「おい!見失うだろうが!!」

 転んだ男の人は怒りましたが、3人が見えなくなることに気づいたもう1人が声をかけたことで、何もされることはありませんでした。

 追手さんを見送って、会場の方へ歩いていく。

 この辺りになったら追手が増えそうですが、こうくんと焔さん。
 更には応援で朔夜さん、輝星さん、凪さんも駆けつけてくれているので、大丈夫でしょう。
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