1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
ホテルの地下の駐車場に入って行く車。
外に出ると、運転手を先頭に、左右に職員が2人つく。
「晴野さん、行きますね」
職員の言葉に頷き、歩き出す。
エレベーターで5階まで上がると扉が開き、警備員らしき2人が敬礼し、ドアが開かれる。
あいつら警察じゃねぇな。
…おおよそ、ヤクザか…。
よもがここにたどり着けるか…。
いや、あの子なら大丈夫だ。やけに頭が切れる子だからな。
それに、よもはもう1人ぼっちじゃない。大丈夫だ。