1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

「…か、神野には関係ねぇだろ!逆に、神野はどうなんだよ!」

 吠えるかのように雷斗くんは神野くんに突っかかる。

 神野くんはボソッとヘタレとつぶやくと、ちらっと私を見た後得意げな笑みを浮かべました。

「俺は晴野の友達だけど?ついでに親公認」

「は?」

「清牙さんと桃さんに晴野のこと任されてるから」

 な、と同意を求められたので、頷きました。なんだか親公認のお友達って変な感じですね。

 雷斗くんを見ると、ぽかんと口を開けて固まっていました。

 あぁ、せっかくのイケメンさんが勿体ない…。

「…神野!お前になんか負けねぇからな!!」

 雷斗くんは神野くんを指さして宣言すると、どすどすと音を立てながら教室を出て行ってしまいました。

 神野くんと顔を見合わせ、首を傾げます。

 なんだか最近雷斗くん変です。どうしちゃったんでしょうね。前はもっと落ち着いていて優しかったと記憶しているんですが。
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