1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
次々に出されていく嘘の証拠。
それを熱心にメモするマスコミの方々、寝てていいですよ。
でもよくもまぁこんなに虚偽の証拠を作れたものですね。
ちらっとお父さんに視線を向けると、笑ってくれました。
うぅ、これが終わったらお父さんに思いっきり甘えましょう!ちょっとくらい許してくれますよね。
笑い返して視線を戻すと、関口とばったり目が合って、プイッと逸らしておきました。
ッケなのです。
「えぇ、では蓬さん本人から話をしてもらおうと思います」
「っえ!?」
「…よもちゃん、ドッペルゲンガーでも作ったの?」
驚かずにはいられませんよ。だって、本人ここに居るんですから。
関係者席から立ちあがった1人の影。
その影はうつむきながら対面する席に座りました。父親に肩を抱かれている女の子。
…誰ですか。
関口と視線が合うと、勝ち誇ったような笑みを浮かべられました。まさか彼女が最終兵器的なものですか?
うわぁ、この人たち自分で墓穴掘りましたよ。
とりあえず拝んでおきましょうか?