1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
「でたらめだ!!」
『あのさ、ちょっと黙ってくんない?いちいちうるせぇんだよ。大体、これがどうやってでたらめだっていう訳?』
「就学記録に晴野蓬と言う名はない!!」
『それは、お前らが消したからねぇんだろうが!!いい加減に黙れ!!』
「ハル」
雷斗くんが肩を掴んでくる。
落ち着け。分かってる。
少し深呼吸をすると、関口を睨みました。
『なら、証明しろよ。この卒業アルバムが偽物だって、蓬が学校に行ってねぇって証拠を!』
「っく…」
『無理なんだろ?だから就学記録がないってだけで済ませたんだ。少し黙れよ。お前が犯した罪を俺はゆるさねぇ』
関口は何か言いたそうにしながらも結局黙り、座った。
仕切り直しですね。神野くんと視線を合わせ、頷きあってから呼吸を整える。