1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
その後も次々に明かしていく。
高校の担任直々に話していただいたり、公庄先生にもお話をしてもらいました。
更には同級生のビデオを流し、私のことを知っていると証言してくれた人たち。
そして、お父さんが私を誘拐も監禁もしてないというたくさんの証言。
近所のおばちゃんもいました。
お父さんのことは、高校生なのに、子どもを引き取って育てた、立派な人だって。
お父さんとお母さんが褒められるのはやっぱり嬉しいですね。
途中で広西さんにも登場してもらい、警察に届けられた後、私がどうしてお父さんに預けられたのか、いきさつを話してもらいました。
何日経っても親が迎えに来ない私を、お父さんは毎日面会して、一緒に親を待ってくれたこと。
でも、迎えに来る可能性が低くなり、児童福祉施設へ行くことが決まった。
ただ、その場所は県外で、お父さんも気軽に会いに来れることは出来なくなってしまう。
だから、すっかりお父さんに懐いた私を引き取らせてくれと、広西さんに相談を持ちかけた。
本当の親が来たら返す覚悟もあるというお父さんの言葉に、広西さんが直々に上の人に交渉し、特例が認められたこと。
何かがあれば、すべての責任を負うと言った広西さんは、決死の覚悟でお父さんに私を預けてくれたこと。