1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
「これが、全部正しい情報だと…ふざけるな!!こんな物全部はったりだ!!」
『なら、証明してみなよ』
「蓬さん本人が、ここにいるんだ!!彼女の証言はどうなるんだ!!」
『…そうだな。本人の言葉を無視するわけにはいかねぇ』
「なら…」
『でも、彼女、本当に蓬なの?』
「は?」
口を開けて固まった関口を置いておいて、女の子に視線を向ける。
『蓬さん、あんたが本物なら、分かるよね?晴野清牙さんと桃さんの間にいる本当の子どもの名前。まさか、知らないはずないよね?だって、子守を押し付けられたんでしょう?』
私の言葉に女の子はさっと顔色を悪くさせる。
さっきまで震えていたのに、急にそわそわして助けを求めるように父親を見ちゃってます。
『ねぇ、蓬さん、教えてよ。あなたが本物なら分かるよね?』
「…わ…わか、りません…」
『分からない?そんなはずないでしょ?じゃあ年齢は?』
「…」
『だんまりか。あ~あ、あんなかわいい弟と妹がいて、分かんないかぁ』