1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
『これ、なんだよ?こんなところで何を手渡してたんだ?』
「…し、知らない」
『そうか。俺の予想は今回の事件を作りだすための報酬だと思ったんだけど。じゃあ、なんで会ってた?』
「それは、今回の事件が発覚し、担当になったから…」
『そう、事件が発覚した日にちは?』
「昨年の12月25日だ!!それがどうした!!」
『…この撮影日、12月20日なんだけど』
「でたらめを言うな!!私が、大宮氏に会ったのは、12月25日が初めてだ!!」
『…その言葉、忘れんなよ』
「な…なんだと」
これで、終わりだ。言い逃れなんか、させない…。
ゆっくりと顔を上げ、関口を睨みつける。