1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
『この県の主要駅の近く、北口から徒歩3分のところにある。居酒屋で、あなた方の目撃情報があった。日付は、11月20日。午後7時に来店、午後10時に帰宅。…防犯カメラにも、写ってた。反論するなら、そこの店長をお呼びしてもいいぜ。証人を約束してくれた』
関口がついに黙り込み、椅子に座った。父親もうつむいて何も言わない。
『…まだ、やりますか?まだ、罪を重くさせたいか!?』
誰も、何も話さない。
父親の隣に座った弁護士はただただ驚いているようでした。
やっぱり、咄嗟に立てた人だったのでしょう。なら、彼に罪はない。
罪があるのは、父親と、父親に加担した関口だけ。
『…以上です。晴野蓬は、誘拐も、監禁も、されていない。晴野清牙さんと、桃さんに愛されて育った。それが、事実です』