1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
「大宮怜さん、任意同行、していただけますか」
「…えぇ、分かりました」
父親は、いつの間にか現れた警官に囲まれていました。
そして、関口は暴れて逃げようとしたのか、取り押さえられてしまっています。
その指揮を執っていたのは、広西さんでした。
そんな様子を熱心に撮影する報道陣の方々。何だか大騒ぎになり始めました。
「「よも!」」
「よっもぎ~!」
「よもぎちゃん!」
駆け寄って来てくれたお母さんと剣人さん、俊也さん、颯人さんに浮かんだ涙を拭って笑みを向ける。
私を育ててくれた大切な人たち。
笑った私に、みなさんは自分まで涙を浮かべて、笑い返してくれました。