1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

「よも、学校大丈夫?」

「うん。神野くんが傍にいてくれるから大丈夫だよ」

「ふぅん。よも秋空くんのこと信頼してるのね」

 信頼…なんでしょうか。
 でも、神野くんの隣は落ち着きます。それも、お父さんやお母さんがくれる安心とはまた違った、神野くんしか作り出せない安心感。

 あれは、なんでしょうね。

「あ、お母さんあのね、今日神野くんがずっと不機嫌だったの」

「あら、どうして?」

「分かんない。でもね、機嫌が悪くなる前に雷斗くんのことは名前呼びなんだなって言われたの」

「っぷ…よも、本当に鈍いわね」

 突然吹き出したお母さんはけらけら笑い始めました。

 今の話のどこに笑いの要素があったのでしょうか…。

 お母さんはしばらく笑い止まなかった上に自分で考えてみなとヒントすらくれませんでした。
 本当に、なぞなぞです。

 そんな話をしながら餃子を作っていると、智希と望亜が起きたのでさぁ大変。2人もやりたくて仕方がないのです。
 お母さんと2人係で智希と望亜に餃子作りを教えていると、あっという間に時間が過ぎて行きました。
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