1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
「ただいま」
「パパだぁ!!」
「ぱぁぱ~」
玄関から聞こえてきた声に、智希と望亜が飛んでいきました。
そのおかげで後片付けがスムーズにいきます。
しばらくして、両手に智希と望亜を抱いたお父さんがリビングに入ってきました。
何というバカ力…。
「おかえりなさい」
「おかえり~」
「ただいま。お、餃子か。久しぶりだな」
智希と望亜を降ろしたお父さんは、ネクタイを緩めました。
そんなお父さんにお母さんが近づき小声で何かを伝えると、お父さんの表情が一瞬険しいものになりました。
どうしたんでしょうか…。