1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

ライバル


 何事もなく過ぎたこの1週間。正確には6日間。

 雷斗くんと神野くんは相変わらずケンカばかりしていますが、2人ともが豹変したわけではないです。

 こうして2学期最終日の今日。終業式を終えて今は教室にいます。

「明日から冬休みですね」

「そうだな。晴野、明後日暇?」

「24日ですか?お暇ですよ」

「ならさ、映画見に行かねぇか?ほら、今話題のさ」

「え、でもあれ確か恋愛ものでしたよ」

「晴野そういうの嫌い?」

「嫌いではありませんが…。神野くんそう言うの好きなんですか?」

「…いや、別に」

 渋い顔をした神野くんに首を傾げます。

 どうしてそう見たくもないものを見るんでしょうか。いくら人気だからとはいえ、男の子が好むようなものではないと思うんですが…。
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