1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
「おい、大宮。話入ってくんじゃねぇよ」
「はぁ?ヘタレな神野に言われたくないんだけど?」
あれれ。また火花勃発です。いい加減にしてくれませんかね…。
ため息をついていると、職員室から戻ってきた先生が教室に入ってきました。
その手には恐怖の成績通知表がっ!!
うぅ、毎度のことながら恐怖の爆弾ですねあれは…。
先生は教壇につくと、未だに睨み合っている神野くんと雷斗くんを見てため息をつく。
「ほら、神野前向け。大宮も」
「「ッチ」」
こんなところだけ息ピッタリって、嬉しくないですよね。
ようやく静かになった教室を見渡して、先生は手に持っていた成績表をまとめて持ち上げる。