1番目の小夜子
ふわーあ、、、

美希は大きなあくびをした。
同じ制服をきた生徒がぎゅうぎゅうに押し込まれたバスの中は騒がしい。

『昨日おそくまで起きてたのー?』
バスに揺られながら友里は言う。

『その逆。はやく起きたから…』
そこまで言って美希は慌てて話題をそらす。
『なんでもなーい。それより今日クラス発表だね!』

ほんとはクラス発表なんてどうでもよかった。
学校に行くのがこんなに怖い日はない。
怖いというより緊張する。
みんなの反応は…?
先生達はどのように対処するのだろう。

美希には友里と会話してる余裕なんてなかった。

もうすぐバスが学校についてしまう。
美希はできることならバスが学校に止まらなければいいのにとさえ思った。

怖くてしかたない。
普段ならクラス発表にドキドキするはずの1学期の始業式。
それなのに私は何に怯えてるんだろう。

『美希ー?学校ついたよ?』
友里の声で我に帰る。

バスは学校の前で止まって生徒が続々と降りはじめていた。

美希は慌ててバックから定期を探した。
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