【完】ある日、恋人を購入した。
「…今日からは、本当の恋人…同士、なんだね」
そう言うと、少し、顔を赤くする。
もー。すっごい照れ屋だな。まぁそこも好きなんだけど。
あたしはそう思いつつ、
「そうだね。じゃあ、チューでもする?」
そう言って、からかうように尚叶くんの顔を覗き込んだ。
「!」
でも、そこは尚叶くん。
もちろん、あたしのそんないきなりの言葉に乗るわけでもなく、また顔をより一層赤くして言う。
「な、なに言ってんの!」
こんなとこで!しかも他のひともいるのに!
そう言って、本気で慌てだすからオモシロイ。
「嘘だよ」って言ったら、ふて腐れて先を歩いて行ってしまった。