【完】ある日、恋人を購入した。
そう言って、隣にいる尚叶くんの顔を覗き込む。
…けど、その時目が合った瞬間に、それをすぐに逸らされた。
で、何を言うかと思えば、尚叶くんはあたしから目を逸らしたまま言う。
「…家」
「!」
そう言って、照れたような仕草をするから、あたしは…
「家でイチャイチャするの?いいよ、どーせ明日休みだし」
てっきり、この後はどっちかの家で過ごすのかと思った。
しかし、あたしがそう言うと、尚叶くんが少し慌てた様子で言う。
「いや、そうじゃなくて…!」
「え、」
「…もう帰ろうって」
「!」
「家まで送るよ」
そう言うと、ビックリするあたしの横を通り過ぎる。
…えっ!?