【完】ある日、恋人を購入した。

そう言って、隣にいる尚叶くんの顔を覗き込む。

…けど、その時目が合った瞬間に、それをすぐに逸らされた。

で、何を言うかと思えば、尚叶くんはあたしから目を逸らしたまま言う。



「…家」

「!」



そう言って、照れたような仕草をするから、あたしは…



「家でイチャイチャするの?いいよ、どーせ明日休みだし」



てっきり、この後はどっちかの家で過ごすのかと思った。

しかし、あたしがそう言うと、尚叶くんが少し慌てた様子で言う。



「いや、そうじゃなくて…!」

「え、」

「…もう帰ろうって」

「!」

「家まで送るよ」



そう言うと、ビックリするあたしの横を通り過ぎる。


…えっ!?

< 121 / 359 >

この作品をシェア

pagetop