【完】ある日、恋人を購入した。
あたしは物凄く棒読みでそう言うと、クルリと尚叶くんに背中を向けて、その場を後にする。
「…~っ」
ああもう何だかイライラしてきた。
ふんっ。今頃あたしのことを追いかけてきたって、もう今日は帰っちゃうもんね!
何よ尚叶くんなんか!乙女心ちっともわかってくれないじゃない!
あたしはそう思いながら、独りずんずんとマンションまでの道を歩く。
…でも、尚叶くんは全然追いかけて来ない。
だけど今振り向くわけにもいかないから、あたしは強がってどんどん尚叶くんから離れてしまった。
……こういう時は、普通追いかけるんだよ。
バカヤロー
そして結局、その夜はマンションで独りで過ごすハメになった…。
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「え、尚叶くんとうまくいってないの?」
「…ハイ」