【完】ある日、恋人を購入した。
…え。
でも、一方そう聞いたあたしは、その意外すぎる言葉にびっくりしてしまう。
ってか、
「え、嘘だ。そもそも尚叶くんそんな勇気あるのー?」
「!…っ…」
言っちゃなんだけど、尚叶くんに限ってそんなこと想像できないなー。
あたしがそう思って笑っていると、尚叶くんが言った。
きっと、電話の向こうで顔を赤くして。
「で、出来るよ!」
「!」
「さっきも言ったけど、俺だって男だし!…そういう気持ち、持つ時だって一応ある。……と思う」
そう言って、だんだん声を小さくする。
…曖昧だな。
だけどあたしはその言葉を信じずに、尚も笑って言った。
「…ふーん。じゃあ、その時が来るのを楽しみにしてるね」
「…信じてないな」
「だって説得力ないしー」