【完】ある日、恋人を購入した。

…え。


でも、一方そう聞いたあたしは、その意外すぎる言葉にびっくりしてしまう。

ってか、



「え、嘘だ。そもそも尚叶くんそんな勇気あるのー?」

「!…っ…」



言っちゃなんだけど、尚叶くんに限ってそんなこと想像できないなー。

あたしがそう思って笑っていると、尚叶くんが言った。


きっと、電話の向こうで顔を赤くして。



「で、出来るよ!」

「!」

「さっきも言ったけど、俺だって男だし!…そういう気持ち、持つ時だって一応ある。……と思う」



そう言って、だんだん声を小さくする。


…曖昧だな。


だけどあたしはその言葉を信じずに、尚も笑って言った。



「…ふーん。じゃあ、その時が来るのを楽しみにしてるね」

「…信じてないな」

「だって説得力ないしー」

< 131 / 359 >

この作品をシェア

pagetop