【完】ある日、恋人を購入した。
あたしがそう思いながらその人だかりに近づくと、ふいにその声にみんなが振り向いた。
「あ、トモおはよー」
「トモ先輩おはようございます、」
そして…
「ね、ちょっとトモ見て!今日から新しい人来てるよ!」
「え、」
「ほら、この前言ったじゃん。今度新しい人来るらしいよーって。その人!」
同じくその人だかりにいたアズサがあたしにそう言うと、新しい人に被っていた体を横に退ける。
すると、その瞬間…目に飛び込んできたのは、
「…!?」
「ども。今日からお世話になります。神崎有唯です」
「…っ…」
まさかの、
三年前に別れた“元カレ”だった。