【完】ある日、恋人を購入した。

そしてふいに大事なことを思いだして、そう聞いてみる。

…あんまり行かなそうなイメージはあるけど。


でも、あたしがそう聞くと、尚叶くんは迷うことなく頷いた。



「する」

「!…え」

「俺も、友香の友達見てみたいし」



…そんな意外すぎる言葉に、あたしは思わず目を丸くする。


え、いま、するっつった?



「するの!?え、行くわけ!?」

「うん。…え、なに?何で?」

「だ、だって飲み会って…ほら、皆でお酒飲んで盛り上がる場所で…」

「まぁそうだね。飲み会なんだし」



尚叶くんはあたしの言葉にそう言うと、まるで「何言ってんの?」とでも言いたげに笑う。


いや、だから、こっちはビックリしたんだってば。



「……ま、いいや。行くならそう伝えておくよ。───…」



…しかし、この誘いがやがて“あんなこと”に繋がるなんて、今のあたしは知らない…。

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