【完】ある日、恋人を購入した。

同僚たちは好き勝手にそう言うと、あたしのグラスにビールを勝手に注いでくる。

…けどもう別に飲む気はない。


ってか、別れたの三年前だし。いつの話してんだよ。


でも、同僚たちの言う通り、あたしは未だに“有唯くん”にフラれたショックが消えないのは事実で。

あれからだいぶ経つのに、思い出の品や昔のメール、指輪も全部、捨てられない。


それに、そろそろ新しい恋がしたいけどなかなかできずにいるのだ。

…と、いうのも…



「でもー、ミズキ先輩の結婚にはビックリですよね。付き合って一ヵ月なのにー」

「え、そう?」

「いいなぁ。あたしも早く彼氏と結婚したい~」


「…」



最近周りが何故か、彼氏持ちや彼女持ちが多すぎるせい。

何故かフリーの人に、出会えないのが一番の理由だったりする。

< 16 / 359 >

この作品をシェア

pagetop