【完】ある日、恋人を購入した。
同僚たちは好き勝手にそう言うと、あたしのグラスにビールを勝手に注いでくる。
…けどもう別に飲む気はない。
ってか、別れたの三年前だし。いつの話してんだよ。
でも、同僚たちの言う通り、あたしは未だに“有唯くん”にフラれたショックが消えないのは事実で。
あれからだいぶ経つのに、思い出の品や昔のメール、指輪も全部、捨てられない。
それに、そろそろ新しい恋がしたいけどなかなかできずにいるのだ。
…と、いうのも…
「でもー、ミズキ先輩の結婚にはビックリですよね。付き合って一ヵ月なのにー」
「え、そう?」
「いいなぁ。あたしも早く彼氏と結婚したい~」
「…」
最近周りが何故か、彼氏持ちや彼女持ちが多すぎるせい。
何故かフリーの人に、出会えないのが一番の理由だったりする。