【完】ある日、恋人を購入した。
すると…
「ってか、みきほは?その飲み会に来ねぇの?」
ふいに、仕事をしながらシュウさんがそう聞いてきた。
そしたら少しは安心だろ、と言葉を加えて。
だけど、残念ながら来れないらしいみきほさんは、今回は飲み会には顔を出せない。
「…みきほさんは来れません」
「え、何で」
「みきほさん、今少しの間有休を使って会社を休んでるんです。旦那さんの実家に行ってるとかで」
「あれ、そうなんだ」
「…確かにみきほさんがいてくれれば安心なんですけどねー」
あたしはそう言うと、ふいにチラリと時計に目を遣る。
…20時過ぎ。もうかれこれ一時間はここに滞在してるな。そろそろ帰ろうかな…。
シュウさんはあたしに背を向けて、なんか忙しそうにしだしたし。
そう思いつつ、また時計から目を離すと…
「っつか、友香ちゃんはどう思ってるの?」
「!!…え」
いつの間にか、目の前にはシュウさんのドアップがあった。
わ、近い…!