【完】ある日、恋人を購入した。
「…っ…」
「…、」
シュウさんは尚叶くんにそう言うと、微かに笑顔を浮かべる。
…それは、誰も知らないこの二人だけの真実。
それを知っていた尚叶くんは、それ以上何も口には出来なくて…。
唇を噛んで、シュウさんから目を逸らした。
……友香がこれを知ったら、どういう反応を見せるだろうか。
「…友香ちゃん、ビックリするだろうなぁ。
お前と俺に裏切られた気分になるだろうな?
泣く?…あー、さすがの友香ちゃんも泣くなぁ、うん」
「…~っ、」
そして、この状況でもまだ黙ったままの尚叶くんには、まだ他にも“爆弾”があって。
それを、シュウさんが容赦なく口にした。
「可哀想で見てらんねー。すげー罪悪感。
尚叶、お前もそう思わねぇ?…あ、お前は思わないか。
だって本当はお前が“友香ちゃんを買った”んだから」