【完】ある日、恋人を購入した。
「!」
尚叶くんは少しだけ考えると、シュウさんにそう言った。
だってもう何を言ったって、友香は俺のものだから。
それは紛れもない事実だから。
しかし尚叶くんが言うと、またシュウさんが言う。
「お前な、今は友香ちゃんにバレてないから大丈夫とか思ってるかもしれないけどっ…」
「わかってるよ。友香が商品なのも、あいつにはいつかは絶対にバレる」
尚叶くんはシュウさんの言葉を遮ると、そう言って下唇を噛んだ。
…それは最初からわかってはいたんだ。
けど、俺は過去に友香に初めて会ったあの日…
“あーもう最悪!おにーさんにお礼言おうとしたらこんなことになるなんて!”
“お礼?”
“そう!さっき、なんだかんだでバスのお金あたしの分も払ってくれたでしょ?ありがと!”
“!”
あの時に、自分でも信じられないくらいに一瞬で友香にハマった。
だから、運命さえ感じ始めるようになった。