【完】ある日、恋人を購入した。
「っていうかさ、憂鬱になりすぎでしょ」
すると、何回もため息を吐くあたしに、そのうちアズサが笑いながらそう言ってきた。
そんなに不安?と。
いや、不安ていうかね。
何だろう………尚叶くんに申し訳ないんだ。
だって、尚叶くんには「あたしの元カレも来る」なんて言ってないし。
「…誰かさんがあの人を誘わなければ…」
「ごーめんって~。でもさ、せっかくの飲み会が待ってるんだし、楽しみにしとこうよ。尚叶くんもいるんだから」
「…」
アズサのその言葉に、あたしはふとこの前シュウさんから言われた言葉を思い出す。
…元カレに見せつけてやればいいって言葉…。
あたしは何としてでも今日はそれを実行しなきゃな。
そう心に決めると、あたしは仕事を再開させた。
…しかし。