【完】ある日、恋人を購入した。
…………
その後、仕事が終わってあたしは尚叶くんとの待ち合わせ場所に向かった。
皆は先に店に向かっているけれど、あたしは尚叶くんと一緒に行く約束をしたのだ。
「尚叶くん、」
「!」
待ち合わせ場所の公園前に行くと、尚叶くんは先に来ていてあたしを待っていた。
ここから目的の店までは凄く近くて、歩いて数分もかからないくらい。
尚叶くんはあたしの声と存在に気が付くと、少しだけ笑みを浮かべる。
「待った?」
「うん、結構待った」
「…」
「いや、うそうそ」
そしてあたしが何気なくそう聞くと、尚叶くんがそう言って頷く。
ああー、あたしをからかうなんて100年早いのに!