【完】ある日、恋人を購入した。
「おっけー!待ってるー!」
あたしはそれだけを言うと、また手を振って窓を閉める。
…さむっ。
今日は、あたしは独り、地元からバスで二時間ほどかかるこの街に、友達に逢いに来ていた。
で、地元よりも都会寄りなこの街で、散々ショッピングをしまくって…今日は手荷物が酷く多い。
席二つ分じゃ荷物を置けそうにないし、あたしは一番後ろの広い席を陣取って、ど真ん中にどすん、と座る。
「じゃー有唯くん、また二時間後ね。愛してるよー。
…ちょっと、有唯くんも言ってよ。聞きたいー」
あたしは相変わらずの大声でそう言うと、やがて有唯くんのその言葉を聞いて電話を切った。
ふー
っつか、寒いんだけどこのバス。
ちゃんと暖房入ってんの?ねぇ。